会社から支給されていたノートパソコンを2年ほど眠らせていた。
事務所の外に出てまでパソコンをさわるのが嫌だったし、
特に打ち合わせで使う必要もなかったしで、
何に使えばいいかよくわからなかったためである。
あ、あと、重いパソコンをリュックに入れて歩きまわるのが
切ない苦行に感じられたことも理由のひとつ。
重い重いと言ってパソコンを持ち運ぶくらいなら、
もっと違うことに体力を使えばいいのにと思っていた。
けれど最近はノートパソコンのべんりさに目覚め、持ち運ぶようになった。
思った以上にやっぱり重い。苦行のようである。
背負うためにリュックを持ち上げるときの重量感がかなしい。
いつもリュックに高浜虚子選の『新歳時記』を入れていたが、やめた。
しごとと趣味をいっしょに背負えない。
ふしぎなのは、こうしてパソコンを持ち運びはじめて一週間ほどすると、
たちまちその重さに慣れてしまったこと。
なんてことない。
あれだけ苦行だ、奴隷だ、じぶんだけはやるものかと忌み嫌っていたのに、
今ではずっと前からそうだった、みたいになっている。
ひとはすぐ慣れる。ちょっと恐いくらい。

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