この社会をもっとよくしたいと、
誰に頼まれたわけでもないのに
ひとりでに行動を起こす。
そういう人たちときのうはお会いしてきた。
そこで聞いたのはたとえば、こんな話。
結局ひととひとは分かり合えない。
なのでむりやり分かり合おうとするのではなく、
具体的にどこが分かり合えないのか
ひとつひとつ納得し合う。
ちがいを知るのが対話だ。
同じところを探すより、
違うところをはっきりさせるほうがむしろ
ひととひとは近づける。
だから……
この、「だから」のあとにビリヤニが来る。
だから、
手食しながら対話できるビリヤニ屋さんをやっている。
ビリヤニとはスパイスで炊き込んだインド発祥のご飯。
カレースパイスを嫌いなひとは少ないし、
ましてや、インドでやるようにゆびでまぜまぜしながら食べる。
ゆびで米のあたたかさとかお魚の身の感触とか感じながら、
どろんこ遊びみたいにゆびをぬるぬるによごしながら、
一緒に食べれば
きっとふだんよりも親しく対話が進むはず。
そういうことがビリヤニならできる。
そういうお話を、
まさにその方がつくってくれたビリヤニを
みんなでゆびで食べながらお伺いする。
「だから」から「ビリヤニ」への飛躍がおもしろいし、
実際にそれを行ない、継続していることに感動する。
コンセプト・コピーライター業は受注産業で、
いつもそこに商品があり、頼まれてから始まる。
思えば、じぶんからうごくことが少ない職業だから
面食らった。
だれに頼まれなくても、考え、うごく。
考えた「だから」のあとのうごきが
端からみれば、ちょっと突飛。
おもしろい人たちがいるのだなあと
ちょっと興奮して帰ってきた。

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