準備がお祭り

広告コンペの準備をしていて、
どうしてもそこそこのコンセプトしか
できないことがある。

もちろん手を抜いているわけじゃない。
そこに至るまでに、考えに考え、調べ、
生成AIにも手伝ってもらってのこと。

だからやっぱり、
広告代理店さんに説明するにも声が小さくなる。
あと、いつもより早口になるとか。
広告代理店のひとも、
まあ、まちがってないし、出せないわけでもないし、
だけど、そこそこですねといった表情をする。

こういうとき、たとえ代理店さんみんながOKを出しても
ぼくは事務所に戻ってからさらに考え直す。

広告コンペだから、結果が出るまで正解は分からない。
もしかしたらそこそこのコンセプトの方が正解で、
そっちが通るかもしれない。

じゃあ、なにが問題かというと―

コンペに限ったことじゃないけれど、
最初にお得意さまにプレゼンするまで、
制作と代理店とでいっしょに提案をつくりあげる。

このつくりあげるまでの過程がつまらなかったら、
たとえ結果がよくても、
「あのひととやってもなんかつまらない」
という印象のほうが強く残るのですね。

そうすると、つぎのしごとは来ない。

おたがいあいまいな笑顔で「今後も宜しくおねがいいたします」と
あいさつしながら、永遠のお別れとなる。

プレゼンの準備とは、クラスみんなで取り組む文化祭の準備みたいなもので、
それじたいがお祭りである。

ときには文化祭そのものよりたくさんの印象的な思い出が生まれるし、
またこのメンバーでなにかやってみたいなという気が高まります。

ふだんははずかしいし、あまり好きなことばでもないから使わないけど
仲間という感じがしないでもない。

ひとはたのしく祭の準備をできるひとを探している。
そしてたのしかった思い出がつぎのしごとを生む。
そう、プロセスがだいじ。






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